◆前置き
アゲハチョウのサナギは、サナギになってからも過酷な運命が待っている。
飼育をしてみて自然界の厳しい現実を改めて痛感したため、その記録を残しておきたい。
虫が苦手な人はこの先は読まないほうがいいかも。
◆本題
アゲハチョウのサナギに黒い斑点がある場合、ほぼ間違いなく寄生虫がいる。
その場合、サナギから寄生虫を取り除くことでサナギの延命が可能になるらしい。
とはいえ、サナギに穴を開ける手術のため完璧とはいえない。
また、頭部に寄生されていた場合は、寄生虫を取り出すことができても自力で羽化することはないらしい。(自分では未確認)
つまり、サナギになり頭部を寄生された場合は助かることはなく、残念ながらサナギは死ぬ運命にある。
◆サナギ
サナギに黒い斑点が見つかる。
間違いなく寄生虫。
◆寄生虫の除去
サナギから寄生虫を取り出す。
白く見えるのが寄生虫で、ヤドリバエの幼虫かと。
上の写真のアップ
◆除去後の処置
寄生虫を取り出した後の傷口には
液体絆創膏を塗る。
綿棒で絆創膏を伸ばして乾燥するのを待つ。
◆寄生虫
ヤドリバエの幼虫と思われる。
紙コップに入れて底面裏側から光を当ててみたらこんな感じに。
◆2カ所目の寄生虫
上記の処置完了の翌日に別の場所に寄生が発見されたので、処置。
◆サナギが寄生されることについて
ヤドリバエはアゲハチョウのイモムシを狙って卵を産みつけ、その後、卵はイモムシの身体の中で産まれ、中身を食べることで成長し、イモムシから這い出てきてサナギになり、成虫になる。
映画エイリアンを彷彿とさせるなんともグロテスクな絵面になり、それを見る母と子はドン引きしてしまうこと間違いない。いやドン引きどころじゃなかった、実際のところは。
しかし、ヤドリバエという生物としてはこれが生き残る術であり、自然な行為。
一方的に寄生虫が悪い、気持ち悪いとか言うことは実はあまり良いことではない。
ハエはいろんなゴミ、汚物などを分解する大事な役目も担っているわけだし。
とはいえ、アゲハチョウのアオムシの愛くるしさに惹かれて飼育を始めた人にとっては、やっぱりアゲハチョウの羽化をなんとか助けたくなるってものだろう。
このことについては賛否が別れるとは思う。
ホントはどうしたらよかったのか?
本来は手を出さず静観すべきか?
うーん、難しい。